ジオクロス工法
ジオクロス工法とは、基礎の根切り底地盤に砕石を撒き出し、それを転圧して盤構造を形成し、その上に地盤補強シート(ジオクロスシート)を敷設することにより地盤を補強する工法です。ジオクロスシートの端部は地盤に固定され、シート上には更に砕石撒き出しと転圧が行われます。砕石層に挟まれたジオクロスシートに建物荷重が作用すると、わずかな地盤の沈み込みによりシートに張力が発生します。発生したシートの張力は、地盤の均質性を高める役目を果たすことから地盤にかかる建物荷重は分散化され、かつジオクロスシートと上下の砕石との摩擦力によるシートのハンモック効果により、地盤沈下や不同沈下が抑制されます。
ジオクロス工法では地盤固定化剤を使用しないため、敷地のアルカリ化や六価クロム等の危険な物質の発生による地盤汚染、地下水汚染、河川汚染等の環境に対する汚染を生じません。また既存住宅の建替え時に問題となる、残置された柱状改良杭、鋼菅杭の処理に係わる撤去費用も発生しません。
ジオクロス工法は施工に伴い発生する振動や騒音が小さいため、周辺環境に配慮した工法です。またジオクロス工法は作業性が良いため、施工開始から完成まで短時間で作業が完了します。ジオクロスシートの敷設位置は建物基礎の直下であることから地盤の掘削量が少なく、建設機械の稼働時間も短いため、施工中に発生するCO2も他工法に比較して少量です。
シートは100%のポリプロピレン製です。建築物の解体時には取り外して燃焼処理することは可能な素材であり、将来にわたり地球環境に過大な負荷を与えることはありません。
ジオクロス工法は地盤調査の結果をもとに、対象とする地盤の性質、地下水位、周辺環境などから設計され、軟弱地盤の上に建つ構造物の沈下量および不同沈下を低減し、将来にわたり安定して構造物を保持することが可能な工法です。
- ① 工数が少なく、かつ全て目視で確認できる工程であるため、施工管理が確実にできると
ともに施工時間を短縮できます。 - ② 深層混合処理工法や小口径鋼菅杭工法と比較して、経済性に優れています。
- ③ 周辺環境(地盤、地下水)に対しての汚染、施工時の騒音や振動などの影響を
与えません。 - ④ 施工において杭打機やアースオーガー等の重機を使用しないため、狭い場所や
アプローチに段差のある敷地等でも施工が可能です。 - ⑤ 深層混合処理工法や小口径鋼菅杭工法と比較して、施工深度が浅いため、
文化財埋蔵地域での施工が可能です。 - ⑥ 既存家屋の立替えの場合、すでに安定している地盤をそのまま利用できます。
- ⑦ 使用する材料の品質は、長期にわたって安定しています。
ジオクロス工法は以下に示す地番条件の場合に適用可能である。
- ● 平行堆積層地盤。
- ● 切土と盛土が混在していない地盤。
- ● 新規の埋戻し土を含まない地盤。
- ● 基礎の底面(基礎コンクリートの最も深い部分)から5.0mの深度までの地層が
SWS(スウェーデン式サウディング)試験でWSW500N(支持力15kN/㎡)
以上である地盤。 - ● 調査地盤面から1m程度の深度までに地下水位がない地盤。
- ● その他、設計監理者が適用可能と判断した場合。
WIB(ウィブ)工法®
硬い物資と、振動を吸収しやすい物質を組み合わせた構造体を、建物の直下や周囲の地盤内に設置することで、軟弱地盤において地耐力を補強させ、建物の沈下を防止します。また、私たちが不快に感じる交通振動などの低周波振動を吸収・減衰させる工法です。通常の地盤改良費で、「建物の基礎」と「揺れ対策」が同時にでき、コスト面も安心です。